公立高校入試問題の分析【数学】

基本問題は「早く・確実に」。
文章題は、ポイントを整理しながら早く読む訓練を!

公立高校入試の出題傾向

中学1〜3年生の分野がほぼもれなく出題される。大問数は4〜5、小問数は22問前後である。関数や図形が重点的に出題されることが多い。

2013年までは大問5題での出題が続いていたが2014年からは大問が1題減らされ4題となった。大問形式の大がかりな問題が1題減らされた代わりに 第2問が 1つの題材から2〜3問ずつ出題される形式へと変化している。

第1問は、数学の基礎力をみる問題で、独立した小問で構成される。第2問は、2〜3問で完結する問題が3〜4題。方程式(または文字式)・関数・図形の計量・確率や統計などの出題が多い。第3問以降は、関数と図形の分野からの出題が多い。関数はほぼ毎年出題されており、しっかりした対策が必要である。最終問は平面図形が多く、完全証明も毎年のように出題され、相似や三平方の定理を活用する難易度の高い問題も出題される。全体の時間配分をよく考えて取り組もう。

小問総合のポイント
第1問は例年小問集合となっている。基礎力を確認するための基本問題である。配点が35点前後と大きいので、ミスなく確実に、かつスピーディに解答することが求められる。 正負の数・文字式の計算や因数分解、式の値など基本的なものが中心であるが、関数、確率や、方程式を利用して解く問題など、文章題も一部出題される。図形分野は、平面図形の角度や立体の体積などがよく出題されている。
方程式・文字式のポイント
方程式を利用するオーソドックスな文章題のほかに、文字式を変形して利用したり、式の計算を利用して証明する問題も出題されることがある。文章量が多く、求められる答えの形が年度によって違うので、読解力が必要である。
関数のポイント
身近な題材をグラフを利用して解決する問題がほぼ毎年出題されている。関数y=ax²は 、グラフから座標や式を求める問題が中心。図形的な要素と組み合わされることもあるので要注意。
図形総合のポイント
平面図形を題材として、相似や三平方の定理を利用する融合問題が多く出題されている。中3で学習した知識を活用する問題が多い。証明問題はほぼ毎年出題。証明の内容は中2(合同/三角形と四角形)と中3(円・相似)の分野がほほ均等に出題されている。
確率・統計のポイント
確率は、毎年いずれかの大問で必ず出題されている。「資料の活用」「標本調査」は、新指導要領での追加単元なので、2012年度に初出である。用語をふくめ、基本をしっかりおさえておこう。

難易度・平均点

2016年 2015年 2014年 2013年 2012年
前期 後期 前期 後期 前期 後期 前期 後期 A B
47.7 44.4 52.0 54.5 56.3 53.3 48.0 45.2 41.8 58.0

過去5年の平均点は上の表の通り。

この2年ほど、数学としては易しめで、平均点が50点を上回る傾向にあったが、2016年度の入試は分量も多くなり、平均点が45点前後と以前と同等の難易度となった。

また、前期入試が導入されて4年目となったが、前期と後期で問題の難易度差はほとんどなく、出題傾向にも特別な差異は見られないようである。

入試では「満点をねらう」のではなく 「できる(はずの)問題を確実に得点する」ことが重要である。50分という限られた時間を、どのように使えば効率よく得点できるのか、過去の問題を実際に解き、しっかりしたイメージをもって本番に臨みたい。

今年度入試の対策法

基本的な問題を取りこぼさないことが最も重要。中3内容だけでなく、中1、中2の内容も含めて広く問われるので、教科書の巻末問題などを利用して、第1問・第2問の問題に弱点がないよう、しっかり復習しておきたい。

第3問以降では、よく出題されるパターンがいくつかあるので、過去の問題を利用して出題傾向に慣れることが効果的である。全体を中途半端に「つまみ食い」するよりも、分野ごとに分けて、重要項目を集中的に練習するとよい。 記述問題や証明は、書き方も含めて練習したい。

最終問が難問になっている場合は、その前に配置されている問題がヒントになっている場合が多い。1題前、2題前の問題が易しく、かつ、今取り組んでいる難問と直接関係がないように思える場合は、前の問題を振り返って「なぜこの問題を出題したのか」「何に気づかせたかったのか」と考えてみると、解き方の糸口が見える場合が多いのだ。

数と式

正負の数や平方根の計算、文字式の表現や計算、式の値など基本事項をしっかり確認すること。また、第2問以降では、文字式をつくり、目的に応じて変形して利用するパターンの問題がよく出題される。

上位校をねらう人は、過去問を利用して練習し、対応できるようにしておこう。 

方程式

第1問では方程式の計算が中心。第2問以降では、方程式や文字式を利用する文章題が出題されることが多い。

教科書そのままのパターンでの出題は少ないが、内容として極端に難しいことはないので、必ず得点したい単元でもある。

関数

関数の式の求め方や、変域、座標の求め方など、基本問題をしっかりおさえよう。速さなど、身近な題材について、グラフを利用して解く関数の問題がほぼ毎年出題されており、このタイプの問題の克服は必須である。

文章を整理して情報をまとめ、グラフにかき、グラフから式を求めたり、直線の交点を求める、という、一連のパターンに慣れておきたい。

図形

第1問・第2問では、空間図形の体積や表面積、平面図形の角度や長さなど、基本的な内容が1~2題出題。第3問以降では、円や三角形、平行四辺形などの基本図形を題材として、相似や三平方の定理などを利用して解く問題が頻出である。

高配点の場合が多いので、苦手な人もあきらめずに取り組もう。最終問は難問であっても、初めの1~2題は比較的得点しやすく、かつ後の問題のヒントになっている場合が多い。証明は、基本的な三角形の合同・相似のほか、二等辺三角形の証明なども確認しておきたい。

資料の活用・確率・標本調査

「資料の活用」は、度数分布表、ヒストグラムなどを題材とした、相対度数や代表値に関する出題に注意。「標本調査」は、標本から全体を推定する問題が多い。比例式の計算と合わせて確認しておこう。

確率は頻出。場合の数の求め方、基本的な確率の求め方をしっかり復習しておくこと。

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