公立高校入試問題の分析【数学】

基本問題は「早く・確実に」。
文章題は、ポイントを整理しながら早く読む訓練を!

公立高校入試の出題傾向

中学1〜3年生の分野がほぼもれなく出題される。大問数は4、小問数は25題前後である。関数と図形が重点的に出題されることが多いが、近年関数の大問の出題形式や傾向に変化が見られる。

第1問は、数学の基礎力をみる問題で、独立した小問で構成される。第2問は、1つの題材について2題の問いで完結する問題が4問で構成されることが多い。配点も比較的高く、年度によっては難問も出題されるため注意が必要である。分野は偏りなく出題され、方程式(または文字式)・関数・図形の計量・確率や資料の活用という構成であることが多い。第3問は、関数を中心とする大問である。1次関数の利用がほぼ毎年出題され、宮城県入試の特徴の一つとなっていたが、2019年・2020年と続けて、関数に資料の活用などが融合された総合問題となった。2021年は直線のグラフに図形が融合された新傾向の問題となっており、今後も出題傾向の変化に注意が必要である。第4問は平面図形であることが多く、完全証明もほぼ毎年出題されている。最終問は相似や三平方の定理を組み合わせた比較的難易度の高い問題となることが多い。ここ数年、過去の傾向からの変化が見られるので、2022年入試も油断は禁物だ。解き始める前にまず全体を見渡し、問題の全体像を把握してから取り組もう。

小問総合のポイント
第1問は例年小問集合となっている。基礎力を確認するための基本問題である。小問減と小問ごとの配点減により、第1問としての配点は減少傾向にあるが、ミスなく確実に、スピーディに解答することが求められる。 正負の数・文字式の計算や因数分解、式の値など基本的な問題が中心であるが、関数、確率や、方程式を利用して解く問題など、文章題も一部出題される。図形分野は、作図のほか、平面図形の角度や立体の体積などがよく出題される。
方程式・文字式のポイント
方程式を利用するオーソドックスな文章題のほかに、文字式を変形して利用したり、式の計算を利用して証明する問題も出題されることがある。際立った難問は多くはないが、素直な設問とは言えない。過去問を利用して傾向に慣れておこう。
関数のポイント
身近な題材をグラフを利用して解決する問題が頻出である。2019年、2020年は比例や一次関数に資料の活用など他分野が融合された総合問題が出題され、2021年は図形との融合問題が出題された。今後の傾向には注意が必要である。
図形総合のポイント
第2問では、空間図形の計量が多く出題されている。第4問では平面図形を題材として、相似や三平方の定理を利用する融合問題が多く出題されている。中3で学習した知識を活用する問題が多い。証明問題はほぼ毎年出題。
確率・統計のポイント
近年出題の比重が高まっている重要単元である。難問ではないので、用語や基本的な計算など教科書の内容をしっかりおさえるとともに、読み取った情報をもとに分析したり、説明したりする力もつけておきたい。

難易度・平均点

2021年 2020年 2019年 2018年 2017年
47.6 44.5 45.9 51.2 45.4

過去5年の平均点は上の表の通り。

概ね45~50点で推移している。数学は他教科に比べて比較的難しい場合が多い。2021年入試は、休校の影響に配慮したと見られ例年に比べ得点しやすい出題だったが、2022年入試では揺り戻しも十分に考えられる。入試では「満点をねらう」のではなく、「できる(はずの)問題を確実に得点する」ことが重要である。全体の問題構成に変化のきざしも見られ、第1問、第2問で考え方に工夫の必要な難問が出題される場合もあり、焦って1つの問題に固執してしまうと、後半にケアレスミスで得点を失うことも。当日はまず問題の全体像を把握し、時間配分を考えて取り組もう。50分という限られた時間を、どう使えば効率よく得点できるのか、しっかりしたイメージをもって本番に臨みたい。

今年度入試の対策法

基本的な問題を取りこぼさないことが最も重要。中3内容だけでなく、中1、中2の内容も含めて広く問われるので、教科書の巻末問題などを利用して、第1問、第2問の問題に弱点がないよう、しっかり復習しておきたい。第3問以降では、過去問を利用してよく出題されるパターンに慣れておくことはもちろんだが、問われている内容がしっかり把握できるよう、日頃から読解力を養っておくことが重要。記述問題や証明は、書き方も含めて練習したい。第3問、第4問では、その前に配置されている問題にヒントがかくれている場合が多い。1題前、2題前の問題が今取り組んでいる問いと直接関係がないように思える場合は、前の問題をふり返ってみて「なぜこの問題を出題したのか」「何に気づかせたかったのか」と考えてみると、解き方の糸口が見える場合が多い。過去問を利用して、前の問題を利用するコツを身につけておこう。

数と式

正負の数や平方根の計算、文字式の表現や計算、式の値など基本事項をしっかり確認すること。また、第2問以降では、文字式をつくり、目的に応じて変形して利用するパターンの問題がよく出題される。過去問を利用して練習し、対応できるようにしておこう。

方程式

第1問では方程式の計算が中心。第2問では、方程式や文字式を利用する文章題が出題されることが多い。教科書そのままのパターンでの出題は少ないが、内容として極端に難しいことはないので、問題文をよく読み、冷静に取り組もう。

関数

関数の式の求め方や、変域、座標の求め方など、基本問題をしっかりおさえよう。第3問以降では、身近な題材を用いた、グラフを利用する問題がよく出題されている。問題文をもとにグラフをかき、式を求めたり、直線の交点を求めるという一連のパターンに慣れておこう。また、近年の第3問は、方程式を使って解いたり、図形の知識を利用して解いたりと、分野にまたがる問題に変化してきている。速さ・割合など2量の関係についての公式も柔軟に活用できるようにしておこう。

図形

第1問・第2問では、空間図形の体積や表面積、平面図形の角度など、基本問題が1~3題出題。第4問以降では、円や三角形などの基本図形を題材に、相似や三平方の定理などを利用して解く問題が頻出である。初めの2~3問は比較的得点しやすく、かつ後の問題のヒントになっている場合が多いので、得点できる問題をとりこぼさないこと。証明は、完全証明だが、さほど難しくない。得点源になり得るのでしっかり練習しよう。

資料の活用・確率・標本調査

「資料の活用」は、度数分布表、ヒストグラムなどを題材とした、相対度数や代表値に関する出題に注意。「標本調査」は、標本から全体を推定する問題が多い。確率は頻出。場合の数の求め方、基本的な確率の求め方をしっかり復習しておくこと。

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