基本問題は「早く・確実に」。
文章題は、ポイントを整理しながら早く読む訓練を!
中学1〜3年生の分野がほぼもれなく出題される。大問数は4、小問数は25題前後である。関数と図形が重点的に出題されることが多いが、近年関数の大問の出題形式や傾向に変化が見られる。
第1問は、数学の基礎力をみる問題で、独立した小問で構成される。第2問は、1つの題材について2題の問いで完結する問題が4問で構成されることが多い。配点も高く、分量も多いため要注意である。分野は偏りなく出題され、方程式(または文字式)・関数・図形の計量・確率(またはデータの活用)という構成が多い。難問が出題される場合もあるため、時間配分に注意が必要である。第3問は、関数を中心とする大問である。身近な事象について1次関数を利用して解決する問いの出題が多いが、近年は関数のグラフが単独で出題される場合もある。また、近年データの活用や確率が融合された総合問題となることが多く、出題形式は今後も予断を許さない。第4問は、平面図形であることが多く、完全証明もほぼ毎年出題されている。最終問は、相似や三平方の定理を組み合わせた比較的難易度の高い問題となることが多い。
2024年 | 2023年 | 2022年 | 2021年 | 2020年 |
---|---|---|---|---|
49.9 | 45.6 | 58.2 | 47.6 | 44.5 |
過去5年の平均点は上の表の通り。
概ね45~50点で推移している。数学は他教科に比べて比較的平均点が低い場合が多い。入試では「満点をねらう」のではなく、「できる(はずの)問題を確実に得点する」ことが重要である。全体の問題構成に変化のきざしも見られ、第1問、第2問で考え方に工夫の必要な難問が出題される場合もあり、焦って1つの問題に固執してしまうと、後半にケアレスミスで得点を失うことも。当日はまず問題の全体像を把握し、時間配分を考えて取り組もう。50分という限られた時間を、どう使えば効率よく得点できるのか、しっかりしたイメージをもって本番に臨みたい。
基本的な問題を取りこぼさないことが最も重要。中3内容だけでなく、中1、中2の内容も含めて広く問われるので、教科書の巻末問題などを利用して、第1問、第2問の問題に弱点がないよう、しっかり復習しておきたい。第3問以降では、過去問を利用してよく出題されるパターンに慣れておくことはもちろんだが、問われている内容がしっかり把握できるよう、日頃から読解力を養っておくことが重要。記述問題や証明は、書き方も含めて練習したい。第3問、第4問では、その前に配置されている問題にヒントがかくれている場合が多い。1題前、2題前の問題が今取り組んでいる問いと直接関係がないように思える場合は、前の問題をふり返ってみて「なぜこの問題を出題したのか」「何に気づかせたかったのか」と考えてみると、解き方の糸口が見える場合が多い。過去問を利用して、前の問題の利用のしかたにも慣れておこう。
正負の数や平方根の計算、文字式の表現や計算、式の値など基本事項をしっかり確認すること。また、第2問以降では、文字式をつくり、目的に応じて変形して利用するパターンの問題がよく出題される。過去問を利用して練習し、対応できるようにしておこう。
第2問では、方程式や文字式を利用する文章題が出題されることが多い。内容として極端に難しいことはないが、見慣れないパターンの出題が多く実力が問われる。他府県の入試問題を利用するなどして様々な問題にふれておこう。
関数の式の求め方や、変域、座標の求め方など、基本問題はしっかりおさえよう。第3問では、身近な題材を用いた、グラフを利用する問題がよく出題されている。問題文をもとにグラフをかき、式を求めたり、直線の交点を求めることによって問題を解決するなど、一連のパターンに慣れておこう。また、近年の第3問は、グラフに方程式や図形の知識を利用するなど、分野にまたがる問題の出題が増えており、対策が必要である。
第1問・第2問では、空間図形の体積や表面積、平面図形の角度など、基本問題が1~3題出題。第4問では、円や三角形などの基本図形を題材に、相似や三平方の定理などを利用して解く問題が頻出である。初めの1~2問は比較的得点しやすく、かつ後の問題のヒントになっている場合が多いので、得点できる問題をとりこぼさないこと。証明は、完全証明だが、さほど難しくない。得点源になり得るのでしっかり練習しよう。
「データの活用」は、近年出題の頻度が高まっている。度数分布表、ヒストグラムに加えて、度数折れ線や箱ひげ図などを題材とした出題にも注意。確率は頻出。場合の数の求め方、基本的な確率の求め方をしっかり復習しておくこと。