基本問題は確実に。「資料」を適切に読み取り、表現する力をつけよう!
2022年度から大問が6題となった。「地理」「歴史」「公民」の3分野から出題されるほか、第1問では記号問題を中心とする融合問題が出題される。各大問に小問が5問あり(21年度までは6問)、全体で30問の構成。文章記述問題は第2問~第6問の各大問に1問。2024年度は、語句解答の問題が5問だった(23年度・22年度は5問、21年度は3問)。配点は第1問が15点、そのほかの大問は各17点。
問題は、各分野からほぼ均等に出題される。内容としては、基本的なことがらのほか、地図・表・グラフ・図などを使って資料を読み取らせる出題や、資料や社会的な事象を多面的に考察して表現させる出題が多く見られる。
出題形式は、記号選択、語句解答、文章記述などがある。文章記述には知識として定着しているかどうかをみるものと、複数の資料を利用して書かせて思考力をみるものがある。
2024年 | 2023年 | 2022年 | 2021年 | 2020年 |
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59.6 | 68.0 | 57.3 | 63.1 | 47.8 |
過去5年の平均点は上の表の通り。平均点は、6割前後のことが多い。5教科の中では得点しやすい教科となっているので基本的な問題は確実に得点しよう。
前述の通り、社会は、各分野から出題される。記号解答や語句解答の問題は問題集によくあるような基本的な出題も多いため、教科書を中心に学習し、基本事項を確実に身につけることが重要である。「何となく覚えた」で満足することなく、覚えた知識を確実に得点に結びつけられるよう問題演習をし、間違えたところについては、できるようになるまでくり返し解き直してほしい。こうした積み重ねが得点力アップにつながる。
文章記述の対策としては、他の都道府県を含めた入試の過去問などを利用し、何を問われているのかをよく考え、与えられた条件に沿った解答を作成する練習、資料から読み取れることを自分のことばでまとめる練習をすることをおすすめしたい。
以下は、近年の傾向をふまえた、各分野ごとの対策である。
世界地理・日本地理ともに、各国・都道府県の位置と国名・都道府県名を合わせて覚えた上で、その国・都道府県の自然・産業の特色をまとめておこう。また、時差の求め方や、地形図の地図記号・等高線の見方・距離の求め方についても、基本的な問題集を利用して問題に慣れておくとよい。その他、表やグラフなどの読み取り方のコツを、入試問題などいろいろな問題を解いて身につけよう。
歴史分野では「年代に関する問題」「歴史の流れ」を問う問題を苦手とする受験生が多いので、教科書の年表を参考にして自分なりの年表を作成し、歴史の流れを整理することをおすすめしたい。江戸時代中期までは時代・人物中心、幕末以降はできごと中心にまとめるとよい。その際、漠然と年表をまる写しにするのではなく、わからない人物や用語についても調べるようにしよう。また、教科書に出ている太字の用語(例:摂関政治など)については、用語を書けるだけでなく、その用語について説明できるようにしておこう。
政治分野・経済分野ともに基本事項の出題が多いので、教科書の太字の用語を中心に確実に身につけよう。この分野は、三権分立、国会と内閣の関係、需要と供給の関係、歳入と歳出など教科書に多くの図が出ているので、図と合わせて知識を整理し、それぞれ何を示した図なのかを説明できるようにしておこう。
地理と歴史、地理と公民、歴史と公民などの融合問題が出題されている。この分野では資料を利用して考える、資料をもとに表現するといった力が問われることが多いので、入試の過去問などを利用して、問題に慣れておくとよい。また、教科書や参考書などに出ている表やグラフ、図などからわかることをまとめるなど、文章を書く練習をしておこう。